ドイツのビール、ワイン
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ドイツのビール

ドイツと言えばビール。 消費量はヨーロッパではアイルランドに次いで第2位。
日本のアサヒビールやキリンビールのような全国規模の大企業はドイツにはなく、日本の地酒のように、地ビールのみで、その醸造所の数は、全ドイツで何と1200以上で世界最多になっています。 半分以上が南ドイツのバイエルン地方に集中しています。 そしてブランド名は5000種以上。
そしてブランド名は5000種以上。 ドイツのビールの製造には、すでに14世紀に制定された純正法令(Reinheitsgebot)に基づいて作られてきました。 それは純粋な水、ホップ、モルツ、酵母だけの使用が定められており、その他の添加物の使用が禁止されていました。 1516年にバイエルンにて引き継がれ、これが現在でもビール製造の基本になっています。
最近ではEU統一規制に合わせ、ドイツの純正法令は緩和され、砂糖などの添加物も、ごく一部ですが使用されるようになり、輸出用ビール(Exportbier)にはこの法令は適用されません。

因みにドイツのビール消費量は、中国、アメリカに次いで第三位、日本は第六位。 一人当たりでは、チェコ、アイルランドに次いで第三位、日本は第32位。

ビールの種類は使用される酵母によって大別されます。

表面発酵(発酵後、酵母が表面に浮かんでくるもの)
Altbier(Alt)
Duesseldorf、Krefeld、Moenchengladbachの暗い色(dunkel)のビール。

 

Berliner Weisse
16世紀からある、ベルリンにだけ製造が許可されている、コップ売りまたは瓶詰めのアルコール度が2.8%程の弱いビール。後にシャンパン(Sekt)やリキュールあるいは甘いシロップ類(例:イチゴ(赤)、くる まばそう(緑)などをミックスして飲まれるようになった。 ストローで飲み事があるが、地元民はこれを極端に拒否する

 

Koelsch
ケルン地方の明るい色(hell)のビール。 ケルンには9世紀からビールが製造されていたが、現在のビールは100年前に遡る。 30種程のブランドがあるが、減少傾向にある。

 

Weizenbier(Weissbier)
半分以上の小麦芽の主にバイエルンのビール、アルコール度は5-6%。

沈殿発酵(発酵後、酵母が沈むもの、Lagerbierとも云われ、貯蔵に適している)

Exportbier(Export)
貯蔵に耐える長所で輸出用のビール、明るい色(hell)と暗い色(dunkel)とがある。最近ではPilsが取って代わっている。
 

 

Helles
バイエルン地方の明るい色(hell)のビール。 但し、Lagerbier、Exportbierとのはっきりした境界線はない。

 

Lagerbier
貯蔵による成熟でおいしくなるビール。 ホップに効いたPilsがその代表。

 

Pilsner Bier(Pils)
名前がチェコのビールの発祥地Pilsenから由来するビール。
ブランド名は多く、例えば、
Becks、BerlinerPilsner、Bitburger、Hasseroeder、KoenigPilsner、
Krombacher、Veltins、Warsteiner等
外国では、
Budweiser〈米国〉、Heineken(オランダ)、Tuborg(デンマーク)等


 

ドイツのワイン


日光を必要とする葡萄は、その天候的、地理的条件から、ドイツでは南部地方に限られ、それも日光が良く当るライン川やその支流の傾斜面で主に栽培されます。
生産地は、ライン川のラインガウ、その支流のモーゼル、ザール、ルーヴァーが有名です。
赤ワイン、白ワイン、中間のRoseワインがありますが、ドイツでは白ワインが主。
アルコール度は大体8%-14%位です。

(白ワイン) (赤ワイン) (Roseワイン)

因みにドイツのワイン消費量は、フランス、イタリア、アメリカに次いで第四位、
生産量ではフランス、イタリア、スペイン、アメリカ、オーストラリア、アルゼンチンに次いで第七位です。

ドイツワインの種類
ドイツワイン法令で、ワインを上から4種類に分類されています。
1.Praedikatswein (Qualitaetswein mit Praedikat=QmP)  品質認証付き高級ワイン
(特級ワイン) (日本では肩書き付きワインとよばれています)
ドイツでの最高級ワインで、葡萄の糖度などにより6段階に分類されます。

Kabinett 糖度が低いが熟した葡萄の優れた高級ワイン
Spaetlese 摘み取りを遅くして糖度を高めた遅摘みの葡萄の高級ワイン
Auslese 遅摘みで更に充分に熟した葡萄のみのワイン、甘口。
Beerenauslese 遅摘みで熟した葡萄の実だけの超甘口のワイン、但し少ない
Eiswein 寒波などで冷結した葡萄をそのまま搾り出した超甘口のワイン
Trockenbeerenauslese 充分に熟し、貴腐化で蜂蜜の様に更に甘くなった高価な最高級ワイン

 

これらのワインにはラベルがビンにはられます。

生産者名
産地名
収穫年
ブランド名
葡萄の品種 ワインの品種
アウコール度
承認番号
などが記載されています。


2.Qualitaetswein (Qualitaetswein bestimmter Anbaugebiet、QbA) 良質ワイン
〈一級ワイン〉
栽培地の典型的な特色を表示する義務があり、その栽培地にだけ認定許可された葡萄が使用されます。 ラベルには検査合格番号が記載されています。
QmPワインでは認められない補糖を行う事が出来ます。

その他のワイン 〈二級ワイン〉
3.Landwein 日本の地酒的な地方色の濃いワイン 20栽培地域

4.Tafelwein 日常消費用の食卓ワイン。 ドイツ産のワイン以外でもあり、ドイツ産は
Deutscher Tafelweinと区別している

葡萄の品種(白ワイン)

(Riesling) (Mueller Thurgau) (Sylvanner) (Kerner)

 

Riesling 甘味と酸味のバランスの取れた味。 最高級品。 遅い成熟。
主な産地はMosel、Rheingau、Pfalz
Mueller Thurgau ドイツで尤も多い品種。 RieslingとSylvannerの交配新種。 早熟。
ほのかなマスカット香りのあるマイルドな柔らかい酸味の味。
Sylvanner 主にフランケン地方の葡萄。 辛口。
Kerner RieslingとTrollinger〈赤〉との交配新種。 Rieslingに似た味だが、
マスカットの香り。


ドイツの新しい辛口ワイン <Classic>と<Selection>
2000年から、ドイツワインは甘口というイメージの払拭のため、更に料理とより良くマッチさせるため、辛口ワインの生産に力を入れ始めた。
ドイツ語でtocken(トロッケン)は辛口の意味ですが、上述の超甘口のTrockenbeerenausleseとの混乱を防ぐため、新しい上質辛口ワインを<Classic>(クラシック)、更に最高級辛口ワインを<Selection>(セレクション)と呼ぶことになりました。

生産地域

全ドイツで13の生産地域があります。主な生産地は、
Mosel-Saar-Ruwer
KoblenzからTrierへ流れるモーゼル川(ライン川の支流)付近。 最良の葡萄畑が広がり、最高品種Rieslingの最大生産地。

Rheingau
1と並ぶワインの名産地。 HochheimからMainzへ抜けLorchに向かうマイン川付近。
主にRieslingを栽培。 生産者としてSchloss Johannisberg、Schloss Vollrads、Schloss Reinhartshausen、kloster Eberbachなどが有名。

Nahe
Riesling、Mueller Thurgau、Sylvannerなど多種の葡萄の栽培。
Bad Kreuznach市中心のナーエ川付近。

Rheinhessen
ドイツ最大の葡萄栽培地域。 主にMueller Thurgau、Sylvanner

Pfalz
約80kmも広大な葡萄畑が続く<ワイン街道>として有名。 Rheinhessenに次ぐドイツ最大の葡萄栽培地域の一つ。
Rieslingが主だが、Mueller Thurgau、Kerner、Sylvannerなども栽培。

Franken
Wuerzburg市を中心とした辛口ワインSylvannerの生産地。

Ahr
ドイツでは珍しい赤ワインの小さな生産地。 Rotweinparadies(赤ワインの天国)と呼ばれる。

その他、小さい所で、Hessische-Bergstrasse、Wurtennberg、Baden、Mittelrheinなどがあります。