ドイツは紙の書類が未だに多い
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紙の書類が重要

ドイツの役所や裁判所、会社でもとにかく紙の書類が重要で、提出を求められることが非常に多い印象です。今でこそ、電子メールやPDF、QRコードで認証ができたり、お店の決済もコンタクトレスでできますが、役所となると話は別です。とにかく集める書類が多いわけです。

書類の紛失

やりとりはメールでも、最終的には何かしらの書類が必要ですが、こちらから提出した書類をよく紛失されることがあります。こんなに重要視されている紙の書類提出を求めておきながら、先方で紛失するケースが、ドイツはダントツで多い印象です。(あくまで数カ国で暮らしたことのある筆者の個人的見解です)が、実際に他でもよく聞く話でもあります。

たくさんの書類フォームがあれば、混乱しそうなものですが、紛失に関しては明らかに管理不足です。受け取った人が、きちんと次の部署に渡さないとか、処理がされず忘れ去られるとか、わざわざ出向いて有料で取得した住民表やパスポートのコピーなど、自分にとって非常に重要度の高い書類も無くされた経験があります。

その場合、当然クレームをいいますが、向こうが謝罪することは一度たりともありませんでした。それは、どこで紛失したかが不明なため、スタッフ同士での責任転嫁をしないような感じなのかもしれませんが、責任者までもが知らないと言いますので、話になりませんでした。

今はもうデータとして管理するようになり、少しはマシなのかなと思いますが、とにかく書類紛失は多いドイツです。

裁判所も書類が多い上に、処理を平気で忘れる

裁判所は、雇用者との間に何かしら問題が起きたとか、賃貸物件のトラブルとか色々ありますが、できれば経験したくないことです。異国の地で全てドイツ語で対応しなければなりません。間に弁護士でも立てれば、それなりにお金がかかるし、結局泣き寝入りをしてしまうケースも少なくありません。

むしろ、外国人相手のケースは、帰国する期限が来てしまうので、それをあえて狙っているのではないかと思うほどです。

しつこいくらいに連絡する

そういう場合は、もしドイツ語に堪能であったり、ドイツ人の協力者があいるのであれば、しつこく連絡することです。多少片言のドイツ語でも、対応はしてくれます。ただし、ステップが進むとなかなか難しいケースもありますが、とにかく諦めないことが大事です。

自分も役所からの連絡を待てと言われて、必要な書類も全て丁寧に集めて、文書もドイツ人にチェックしてもらい提出しましたが、一向に連絡がありません。それで、再度電話をすると、「ああ、忘れていました」と返答が来ました。何の詫びもなく、もう一回申請を出してくださいという始末。

それでよく仕事が務まっているなあと感心すらしますが、きちんとしていそうなイメージのドイツでもそのレベルです。ドイツの悪口を書きたいわけではなく、日本人のドイツに対するイメージがあまりにも幻想だということを知ってほしいだけです。日本の常識は世界の非常識と言いますが、まさにそんな感じで、慣れると驚きもしませんが、毎回腹立たしいだけです。

ドイツ人も同意

そうしたことをなぜ言い切れるのか?たった1回きりの運が悪い経験に過ぎないだろう?と思われる方もいるでしょうが、そうしたことをドイツ人自身が認めていますし、彼らも自国の役所に痛い目にあっています。外国人だから書類を無くしても気にしない態度なんだと最初は思ってしまうのですが、これがドイツ人であっても同じです。ドイツ人の友人の証言ですので、大袈裟ではありません。

あるドイツ人の社会的地位の高い友人夫婦ですら、引越ししたときの電話回線の開通に4ヶ月もかかったことがあり、憤慨しておりました。とにかく、いい加減です。

これにはドイツ人の管理不足もあり、ここでは書きませんが、外国人労働者の教育の問題でもあります。

とにかく、海外生活は、慣れるまで骨の折れる経験の連続です。紙の書類が重要な点は、いずれ改善していくでしょうが、何かの手続きの際は抜かりなく、諦めず、しつこく連絡をモットーに対処するといいでしょう。