ウクライナ侵攻から1ヶ月半
ドイツは、ロシアに対する経済制裁やドイツ在住の外交官の国外退去など、ウクライナへの支援も含めていくつか行動に移してきましたが、それでも、先日ウクライナはドイツの大統領のキーウ訪問を断ったようです。
それは、ドイツが今でもロシアからのガス供給を供給を得ている事、ロシアの主要銀行3行は、国際送金の停止から外れている事。そして、ドイツの現大統領がロシアとのガスパイプラインを推進してきた中心的な人物の一人でもあることが挙げられます。
ウクライナ側は、各国のロシアに対する繋がりをつぶさに見ていて、毅然とした態度で対応している気がします。ロシアに攻め込まれて、たくさんの民間人が犠牲になっているわけで、まさに毎日が命がけの状態ですから、西欧諸国にもかなり厳しい態度で支援を求めています。
そんな中、EUのフォンデアライエン委員長は、自らキーウを訪問しウクライナのEU加盟の書簡を手渡ししました。ゼレンスキー大統領は、この書類に関して早急に返答をすると言っていて、通常何年もかかるEU加盟の手続きは例外的に承認されそうな感じです。ちなみにこのフォンデアライエン委員長も、メルケル政権では国防相を務めたドイツの政治家です。
ロシアの国内は未だに情報統制も
ロシアのウクライナ侵攻で戦場となっているのはウクライナ国内でロシア国内であはりません。ロシア側からすれば、ドンバス地域はロシア系住民が多く、なおかつ現在その地域を支配しようとしていますので、本来の自分たちの土地で戦闘が続いているという認識に近いかもしれません。
ロシア国内でも、多国籍の企業は営業を停止しており、生活にも影響が出ているようです。物価もインフレ状態で、車や不動産の価格が上がりとんでもない価格になっています。しかし、自分たちの生活で精一杯なロシア国民は、戦争の状況をあまりわかっていないどころか、かなりの数のロシア人がウクライナ侵攻を肯定しているという状況のようです。
国外のVPNを使えば、いくらでも情報は得られるので、そうした形で海外の情報を得ている人もいますし、ある程度はウクライナの戦況の情報も入っていると思いますが、西側が想像している以上に規制されているようです。
世界の金融会社はロシア企業の株を買う
この状態ですので、ロシアの企業の株は下がっていますが、それを狙い世界の金融会社はこのロシア企業の株を買い漁っているという情報もあります。経済危機が起きれば、大きな為替変動なども起きて、為替差損で儲ける人がいるのは常識ですが、そこにはモラルなどは関係ないとばかりに、落ちた株を買いあさり、戦争が終わって上がった際に売り抜くというシナリオのようです。
実はこれはコロナパンデミックの際も起きていて、コロナで下がった株を買い漁って、売り抜いて儲けた個人投資家も知っています。不謹慎かもしれませんが、そうした個人投資家はいますし、大企業が大量に買い増しして売り抜けば、それはものすごい大きな利益になります。
どこの国も自分の国の状況を考えなければいけませんし、その上でロシアからの天然ガスが完全に止まってしまうとドイツをはじめとした西側諸国が大変なことになります。これもロシアは計算済みなのでしょう。これまでロシアに肩入れしてきたドイツの代償はかなり大きいものになりそうで、ショルツ首相の政治手腕に期待がかかっています。
まだまだ長引くと予想されているウクライナ戦争ですが、ドイツが鍵を握っているのは否定できないでしょう。