失業保険 (Arbeitslosengeld)
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失業保険 (Arbeitslosenversicherung)

雇用主から解雇されて(倒産も含めて)職を失った人に、自分が雇用主と折半で支払ってきた失業保険から労働局(Bundesagentur fuer Arbeit)を通じて支払うもの。
自分で職を解約したり、放棄した場合は受給の権利はない。
現在はArbeitslosengeld I(今までの失業保険で、2005年1月1月より新しく導入されたArbweitslosengeld II (=Hartz IV)と区別するために Arbeitslosengeld Iと名付けられる。)とArbeitslosengeld II(=Hartz IV)(収入の少ない人のために2005年1月1月より新しく導入された。)がある。

Arbeitslosengeld I

<受給資格>
申請後、受給必要性が充分審査される。
1. 15才から65才までの人、つまり年金受給年齢に達していない人。
2. 週少なくとも週15時間以上の労働を探している就職可能の人。
3. 要求資格最低期間(Anwartsschaftszeit):最近の2年間内に少なくても360日間職にあり、失業保険を支払った者。
4. 関係労働局に自ら失業の申請をした者。
5. ドイツ滞在の人。
但し収入がなくても、貯金、財産のある者は対象外となるか、相殺される。

<受給金額>
特定の計算方式で算出される。
およそ税引き給与の約60%、子供がいる場合は67%。
例 (概算):
税込み5.000EUR 税抜き3.000EUR 受給額1.800EUR
税込み3.000EUR 税抜き2.000EUR 受給額1.200EUR
但し、上限があり、6.350EUR (旧西)/5.700EUR (旧東)
失業保険受給額は無税。

その後も職が見つからず、収入がない、或いは少ない場合は、Arbeitslosengeld II (=Hartz IV)を申請する事になる。
これは自動的に引き継ぎになるのではなく、新たに申請して、審査を経て認可を得る事になる。 支給金額は申請した諸条件(家族構成、家賃など)を 考慮して決められる。(後述のArbeitslosengeld II (=Hartz IV)を参照)

<失業保険受給者のアルバイト>
アルバイトは可能になっている。 労働局に申告する必要がある。但し週15時間以内
165EUR/月以上の場合は、保険支給額から差し引きされる。

Arbeitslosengeld II (=Hartz IV)

収入のない或いは少ない人のために、必要最低限の生活維持が出来るように2005年1月1月より新しく導入された。
今までのArbeitslosenhilfe(失業援助)とSozialhilfe(生活保護)を統合したもので、Arbeitslosengeld(失業支給金)とあるが、
受給者は失業者とは限らず、職があり収入があっても少な過ぎて、必要最低限の生活維持が出来ない者も、Sozialhilfe(生活保護)として支給を受ける事が出来る。
又、上述のArbeitslosengeld Iの受給者も受給額が少な過ぎて、必要最低限の生活維持が出来ない場合、その補足として、
同時に受領する事が出来る。
しかしArbeitslosengeld II (=Hartz IV)受給者は国の援助なくしては生活出来ない、社会の底辺に属する人達であり、
貧困の象徴となっている。よって中間層など他の人達から見下される場合が多い。

因みに富裕層は独身で月3.400EURネット以上、既婚子供2人で7.000EUR以上の収入者
中間層は月1.500 – 3.000EUR (手取り/NETTO)
低所得者層は中間層の60%、約800EURの収入しかない人となっている。

<受給金額>
基本支給額は、毎年引き上げられてきた。
2017年1月1日より
独身 409,–EUR
既婚 368,–EUR

更に申請された下記の諸条件が考慮されて、加算される。
子供養育費 – 6才から18才まで、年齢別に237,–EURから327,–EUR 家賃と光熱費 – 住居の広さと家族構成により、400EURから700EUR 妊娠、障害者など特別な別途費用。

例えば、既婚者(2人)で14才以下の子供2人での支給額は、家賃・光熱費含めて概算で約1.650EURとなる。
これは就業者の平均給与約2.600,–EUR (税込)より遥かに少ないが、最低水準での生活は可能。
が、時に噂される「貯金も出来る」は到底無理。

1-Euro-Job:

Arbeitslosengeld IIの受給者は、更に1-Euro-Jobと呼ばれる補助金を受ける事が出来る。
これは特に職に就くのがより困難な<長期>の失業者を対象、援助するもので、早く職が見つかるように、早く職に慣れるように、 まず週20―30時間、2-3ヶ月の短期の労働を労働局が斡旋し、それに従事した者が、そのためにかかった費用(交通費など)を相殺する名目で、1時間1ユーロの
支給を行うものである。
但し週20―30時間以上の仕事は斡旋しない、本格的な仕事を探す時間がなくなるからである。
失業者でArbeitslosengeld IIの受給者でも、1-Euro-Jobに従事している間は、労働統計上では失業者に数えられない事になっている。
これは失業率を公式統計上少なくするトリックとも云われている。

(*2022年の詳細規定は、必ずお住いの労働基準監督署にお問い合わせください。)