海外生活、日本を離れることで楽になる
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海外生活のストレスは何が原因か?

現在の在外邦人の数は、およそ135万人だそうです。グローバル化が進んで、学生時代に留学や海外を経験して、現地の生活が気に入ってそのまま移住という人もいます。

海外移住といっても理由は様々で、国際結婚、仕事での赴任、留学などでしょうか。仕事や留学(学生)などは、最初から期限が決まっていることが多いでしょう。ビザの問題もありますし、滞在許可が更新されなければ、日本に帰るしかありません。

ただ、国や環境が違っても、皆が抱える海外生活での主なストレスは、いくつか共通項はあります。

・言語、文化の違い

・宗教、習慣の違い

・食事の違い

・気候の違い

・友人や家族の有無

欧州やアフリカ、南米など、場所によっても違いますし、イスラム圏では宗教の違いから、日本人がなかなか馴染めない場合もあります。

現地に馴染むことが最初のステップ

現地の言葉を覚えると、生活する上でもかなりのストレスが軽減されます。ドイツをはじめとする欧州を例にとってみると、ドイツ語を習得すれば、かなり生活の質も上がりますし、行動範囲や交友関係も広がります。多くの人が語学学校などに通い、現地で社会に馴染む一歩を踏み出します。ドイツ人はそこそこ英語ができる人も多いので、何不自由なく英語で生活ができると、かつては自身も思っていたことがありますが、正直実生活では、英語では十分ではありませんでした。やはり、現地のお店や機関では、ドイツ語でないとわからない人もいて、英語は通じませんでした。

国際結婚をしている人の多くが、パートナーとの最初の言語が英語という人も多いでしょうか。なかなか英語でのコミニケーションから抜け出せないという人もいますが、英語がある程度話せるなら、言語習得のコツをつかんでいるはずですので、ドイツ語も習い出せば習得は早いのではないかと思います。それは、すでに現地に住んでいることで実際に覚えた言語を使ってみることが毎日可能だからです。そうした環境は日本であれば、自分から探しにいかない限りありません。こちらでは一歩家を出れば、そこがレッスン会場みたいなものです。

日本から情報がたくさん入るため、余計にさみしくなる

今では、スマホやPCを使い、いつでも日本の友人や家族と連絡を取れるようになりました。昔は、国際電話のカードを購入して日本に電話したりしていましたが、ネットとスマホさえあれば今はリアルタイムで情報が入ります。そんな環境に感動しているうちはいいのですが、徐々にSNSなどでみる日本の友人たちの投稿が羨ましくなってきます。こちらで投稿したヨーロッパの素敵な景色にも反応してくれますが、皆で楽しそうに食事をしている投稿を見て、日本に帰りたくなります。特に食事の画像は堪えることが多く、なかなか同じものをドイツで食べたりできないので、辛くなります。

ある意味、今のように情報が簡単にアクセスできる環境は、在外邦人にとっては、余計精神的に辛くなってしまい逆効果の場合もあります。

そこで辛くなる人と、ならない人との違いは、おそらく現地での生活に満足しているかどうか?ということでしょう。こちらで、日本の友人が少なくても満たされていれば、素直に日本の友人たちの楽しそうな投稿を喜べるはずです。しかし、自分のおかれた環境と比べてしまう事で、それが受け入れられない状態になります。

現地に馴染むより、日本から離れる事が大事

海外生活、現地の生活に馴染むことはもちろん大事ですが、その次にしなければいけないのは、日本から離れることです。物理的にはすでに離れていても、SNSやスマホでは日本と繋がっています。そうすると精神的には、自分が日本にいないことを悔やんだりして、落ち込んで行きます。

ドイツにいながら、毎日探し求めているものは、日本のニュースや映像、エンターテイメントです。たまには良いのですが、これがエスカレートしてしまうと精神的に辛くなってしまいます。便利になった反面、海外生活の障害となっていることもあります。

日本を客観的に見ることで、自分の置かれた環境を楽しむようにする

現地の生活に没頭して、日本のことなど興味がない!という日本人は、稀ですがいます。そういう人は日本を客観的に見る事ができて、冷静に海外と日本の違いを認識し、こちらではこんな事ができるから満足だ!と、自分の生活を肯定的に捉える事ができます。

どこへ行こうと日本は自分の出身国であり祖国です。仕事柄、常に日本のことを考えなければいけない人はともかく、少しでも日本から精神的に離れる事ができれば、海外生活での辛さも軽減されます。それでもどうしようもなく、日本が恋しくて、何も手につかないのであれば、帰国するしかありません。

何年経とうが言葉のストレスはある

長年海外生活をしている人でも、現地の言葉で生活し、ほぼ不自由なく暮らしている人でも、乗り越えられない言葉の壁があると思います。筆者も学生時代の経験を入れれば、20年近く海外で暮らしていますが、そうした瞬間は常にあります。家族との会話もドイツ語、テレビもドイツ語、何かの契約書類もドイツ語で、何の問題もなくこなしていても、気が休まらない感覚はあります。なかなか母国語のように表現ができないこともあるので、言い方を変えて伝えたりするため何かしっくり来ない気がして、もやもやが残ることも。

相手が一生懸命聞いてくれる場合はいいのですが、最初から外国人の話すドイツ語を受け付けない(慣れていない)人もいて、そうなると苦戦します。その証拠に、日本人と結婚している人のドイツ語は、非常にわかりやすかったり、伝わりやすいところがあります。よく考えれば、普段から日本人のドイツ語や英語に慣れているので当たり前かもしれませんが、明確な違いがあります。

海外生活をする上で覚える言葉の練習は、他の国から来た同じ学生の人と話すよりも、日本人と結婚しているドイツ人と練習させてもらうと良いのかもしれないと、何十年も経ってから気がつきました。それである程度自信がつけば、誰とでもどんな方言の人とでも会話が可能になるはずです。先ずは伝えようとする気持ちが大切なのかもしれません。

現地語で人と約束をする。美容院の予約を電話で入れるなどでも良いでしょう。そうした小さな成功体験を積み重ねて行けば、習得も早いでしょう。

疲れたら、日本語で友人と好きなだけ電話でもすれば良いと思います。

「日本」を休むこと

アル中の人の休肝日ではありませんが、海外生活に馴染んでいきたい人は、たまには「日本」から離れてみると良いでしょう。日本人以外の人と1日何処かへ出かけたりすれば、日本語は使わないし、PCも開きません。

たまには日本語を話さない日、読まない日、書かない日、を作って見てはどうでしょうか?

言葉や文化を学ぶのはもちろん大事ですが、「日本」から離れると、見えてくるものがあるかもしれません。