戦争トラウマのドイツ
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ウクライナへの戦車供与に時間がかかったわけ

ロシアのウクライナ侵攻もまもなく1年。これだけ長期の戦いで、西側諸国は数々の支援をしてきたが、武器の支援に留まっていたドイツもいよいよ戦車の供与を求められていた。

レオパルト2の供与を迷っていたドイツに、ウクライナ支援を一刻も早くしたい周辺国から圧力をかけられて、ようやく供与を決めた。

しかも供与するだけでは不十分で、戦車の操作の仕方もウクライナの兵士に教えなければ意味がない。

この決断の遅さは、やはりかつての戦争トラウマがあるのは明白で、ナチスドイツのイメージを極端に嫌うドイツは、戦争にまた加担することになる武器や戦車供与に二の足を踏んでしまったのが理由だろう。

今でも年に数回戦争ドキュメンタリーをTVで流すドイツ

ドイツに住んでいないとわからないが、この国はかつてのナチスが行った愚行を心の底から恥じている。

その証拠に、年に何回かは、その愚行を忘れないように、戒めとして国民に知らしめすためなのか、いかにひどいことをしたのかを伝えている。

アメリカや日本がそんなドキュメンタリー番組を毎年TVで流すだろうか?

そんな背景もあり、今回のウクライナ戦争には、消極的な支援だったドイツ。戦車の供与となれば、それで人が死ぬのだから当然だろう。

ノルドストリームの問題も

ドイツはまた、ロシアとの共同出資で天然ガスのパイプラインを敷き、ノルドストリームとして完成目前だった。しかし、戦争が起き、その計画も断念。

元首相のシュレーダー氏が、プーチン氏との密な関係に、この企業の役員として甘い汁を吸っていたこともわかり、なかなか辞任しないことに、ドイツ国内でも批判の声が大きかった。

とにかく、東欧の戦争や紛争に際して、ドイツの戦争トラウマが出現し、シュレーダー氏のように、ボロが出てくるのを嫌っている。

しかし、そうした綻びは必ずどこかで出てしまうし、ドイツ首相が抱える歴史の重みも理解できるが、ここはEUとして一致団結して、このウクライナ戦争を終戦に導いてほしいと願う。