ドイツ語での電話対応
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どの言語でも難しい電話対応

ドイツ語で仕事を始めて、一番最初の壁が電話でした。とにかく、どんな言語であろうと、それこそ日本語でも方言や訛りがあるもので、それを電話で聞き取ることの難しさは、同じでしょう。

方言や訛りもある中で、外国語を理解しようとするとなかなかハードルが高いわけです。ドイツでは、比較的訛りの少ない街に住んでいましたが、電話となるとどこの人が出るかはわかりません。

ドイツは大きな国ですから、特にバイエルンやベルリンの人と話すとそれは大きな違いに気がつくのですが、問題は理解できないこと。

大声で怒られた経験も

仕事上、いろいろなところに電話をしました。自分からかける場合は、要件を持ってかけるため、ある程度は伝わりやすく対応してもらえるのですが、ある時、こちらからの問い合わせに、市外局番を聞かれました。しかし、市外局番というドイツ語(Vorwahl)をよくわかってなかったこともあり、早口のドイツ語では本当に聞き取れませんでした。電話番号と言ってくれれば、わかったのですが、その時は市外局番が知りたかったようで、何度も聞き返しているうちに、相手のオペレータがついに切れてしまいました。

Vorwahl!verdammt!!

かなり強い言い方であり、仕事上では使ってはいけない失礼な言葉です。

次の言葉が出ずに沈黙していると、「すみません、言い過ぎました」と謝罪されました。つまり、それくらいまずい言い方だったのです。今でなら、どういう言葉遣いだ!と言ったと思いますが、聞き取れず焦っている上に、そのような暴言を吐かれて、止まってしまいました。ドイツ語初心者だった当時の自分には、いろいろな意味でちょっとショックでした。

まずは、聞き取りができない。そして、仕事上とはいえ、見知らぬ相手にはかれた暴言。

情けないの一言。その人も、相当イライラしたのだろうと思うので、恨みはありません。その人のモラルの問題です。

外国人相手に、優しくわかるように、説明や言い方を変えてくれる人など、ごくごく一部です。そんなことを毎回していたら仕事が進みませんから。

とにかく、これは勉強になったというか、経験でした。

間違っていたら、はっきりと反論する

しかし、この経験で少し思ったことは、間違ったことはドイツ人も謝るということです。当たり前と思われるかもしれませんが、そうそうでない謝罪の言葉。

あるとき、自分が外国人であることを理由に、仕事上で失礼な言い方をした人がいました。まあ差別というよりは見下された言い方をされたので、「そういう言い方は失礼なんじゃないか?」とはっきり言ったところ、そのドイツ人はあっさり謝罪しました。

これには、拍子抜けでしたが、自分が悪いと思っていることを指摘されると素直に謝るようです。いつも押しが強いドイツ人ですが、こうしたことは結構頻繁にあり、文句を言えば謝罪してくれたドイツ人も多いです。もちろんそうでないことも多いのですが、お店や電話でも、はっきり文句を言えば謝るということがわかりました。

日本人は、あまり自分の意見を言わないと言われますし、そう思われています。そこにつけ込んで、言いたい放題の人もいるわけで、そんな時は「ちょっと待て!言いすぎだ!失礼だ!」と言えば、相手も折れます。あくまで自分の経験上ですが、そうしたことは多々ありました。

つまり言葉が不自由で伝えるのが下手でも、思っていることは違うわけです。それを理解している人は、謝ります。もっともマナーのある人なら、そんな暴言は誰に対しても吐きませんが。

ドイツ語に自信がなくても、自分が正しいと思ったことは、伝えましょう。