混乱するドイツ 世論調査ではCDUが支持率一位
ミュンヘンでデモ隊に車が突っ込み死者が出たように、ドイツ各地で外国人による事件が起きている。
経済成長率も2年連続でマイナスな上に、移民問題が槍玉に上がり、こうした外国人、難民、イスラム系の犯罪は大きく報道され有権者の支持を得るAFD党。なんとそのAFDが有権者の支持率が第二位となっている。
三位には現首相のショルツ氏がいるSPD。
これを見る限り、政権交代は間違いなさそうだが、かつての長期政権を担ったメルケル首相がいたのもCDUだ。
トランプ大統領のEU無視
この時期に、安全保障会議に出席したバンス副大統領は、欧州の言論の自由が脅かされているという内容のスピーチをし、民主主義が危うい、アメリカとの価値観の共有ができなくなっているのは残念などとスピーチをしたが、会場は静まり返り、誰も拍手しない。
そもそも、アメリカと欧州ドイツは、価値観が違う。
ドイツ人にとってのナチスのトラウマを軽々しく見ては行けない。トランプやバンスが言うような、軽い内容ではないからだ。
政党支持率では、第一がCDUで第二位がAFD。
この通りに選挙が終われば、CDUが第二位のAFDと連立を組むのか?と予想する人もいるが、おそらくそれはない。
AFD党は、かつてのナチスの思想を否定していない政党でもあり、そうした極右政党とは連立を組まないと言う不文律があるからだ。
メディアの報道が偏向していて、AFD党はそこまで間違ったことを言ってないと言われるが、それもそのはず、経済政策は左寄りのポピュリズム政党だからだ。
この落差を利用して、難民による犯罪やイスラム系のテロの事件などを大体的に報道し、有権者の不安を煽りメディアを利用しているのは、極右政党だろう。
経済政策を取り上げれば、AFDもごく普通のことを言っているように見えるし実際そうだ。
かつてのCDU、メルケル首相は内政政策で失敗し、外交に重きを置いていた関係で現在の難民問題がある。
ロシアとの関係は、その前のシュレーダー首相がプーチンと築き上げた関係で、ガスプロムの役員をしていたシュレーダー氏は、国民から総スカンを食らい、批判にさらされた。
こうした人物をドイツ人は好まない。
かつては皇帝(カイザー)と呼ばれた、フランツ・ベッケンバウアー氏もFIFAのお金のスキャンダルで国民に嫌われて、テレビでは名前を出すのもタブーだった。お金に汚い人を徹底的に嫌う傾向がある。
こんな状況なので、CDUが連立を組むとしたら、やはりSPDが妥当だろうと思う。
ロシアとウクライナの戦争はさらに長期化?
こうした選挙の年で、EU首脳陣が交代すれば、ウクライナの支援も変わってくる可能性があるし、アメリカのトランプが勝手に終わらせようとして、余計拗れてしまう。
EUも指を咥えて黙って見ているわけにはいかないので、EUを無視して停戦を進めるトランプ大統領にかなり怒っている。
内政干渉をするなと言わんばかりに、ショルツ首相が怒りを表している。
それにしても、いまだにスーパーパワーをアメリカが持っているという古い考え方が変わってきている気がする。
EUが団結して、欧州、ロシア・ウクライナ情勢をコントロールできれば、アメリカは必要ないと言う考えになる。
ウクライナに金を出しているのは、EU6割でアメリカは4割ほど。
アメリカから出ている資金は、額も大きいが、国が大きいので、国家規模の割合からすると当然ドイツやEUの支出の方が大きい。
ゼレンスキーもその辺はよくわかっているはず。
アメリカ抜きでは解決しないと思うが、着地点を見つけて停戦に持ち込むしかない。
ロシア経済もそろそろ限界に来ているはずだし、中国がどこまで支援するのかも不明。
アメリカが関税で中国に脅しをかけているが、これがどのように効いてくるかわからない。
トランプのやり方は、正直派手で、パフォーマンスの要素が強い。イーロンマスクを起用していることもそうした理由だろう。
実際には、大きく出て譲歩するトランプ流の交渉術なんだろうと思うが、つくづくビジネスマンだと思う。彼を政治家だと思ったことがない。
とにかく、右傾化が進む欧州で、日曜日のドイツの総選挙は今後のEUの行方にも関わるため注目されている。





